東京大学総括プロジェクト機構 水の知「(サントリー)」総括寄付講座




↑本講座が制作した小学生向け教育用コンテンツです.


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水の知にふれる
 

書籍紹介

 
  テーマ 紹介者
 
  読むと色々興味深い書物 沖 大幹
(生産技術研究所 教授)

  流域と森のマネジメントを考える本 横尾 善之
(福島大学共生システム理工学類 准教授)

  水環境汚染を考える本 村上 道夫
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)

  国際水資源問題を考える本 田中 幸夫
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)

  水中の病原微生物を考える本 片山 浩之
(大学院工学系研究科都市工学専攻 准教授)

  地下水と環境・社会との関連を考える本 徳永 朋祥
(新領域創成科学研究科環境システム学専攻 准教授)

  「水」に興味を持った人へ 川崎 雅俊
(サントリーホールディングス株式会社水科学研究所)

  子供と見たい“水” 坂田 加奈子
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任研究員)

  古水文環境復元に関する本 小口 高
(空間情報科学研究センター 教授)

  宙(そら)と雨を考える本 瀬戸 心太
(生産技術研究所 講師)

  日本の川の歴史を考える本 中村 晋一郎
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)
  アオコに関する教科書 酒井 宏治
(大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教)

  水と科学の歴史を辿る本 山崎 大
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士課程)

  水災害と水循環シミュレーションに関する本 新田 友子
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士課程)

  リスクと水害に関する本 簑島 大悟
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 修士課程)

  安定同位体の基礎・応用例などが書かれた本 松尾 修
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 修士課程)

  都市水システムに関する本 滝沢 智
(大学院工学系研究科都市工学専攻 教授)

  河川開発に関する本 中山 幹康
(新領域創成科学研究科国際協力学専攻 教授)

  土地と水の統合的管理に関する本 蔵治 光一郎
(大学院農学系研究科愛知演習林 講師)

  水と災害に関する本 牛山 素行
(静岡大学 防災総合センター 副センター長・准教授)

  読むといろいろ興味深い書物 沖 大幹
(生産技術研究所 教授)

  都市水環境工学の教科書 村上 道夫
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)
  水資源管理における技術の役割について考える本 田中 幸夫
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)
  水の歴史を考える本 中村 晋一郎
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)
  水質研究の歴史に関連する本 小口 高
(空間情報科学研究センター 教授)

  火山水を化学する本 穴澤 活郎
(新領域創成科学研究科自然環境学専攻陸域環境学講座 
准教授 )
  水情報をコントロールするために役だつ本 沖 一雄
(生産技術研究所 講師)

  面白い科学の本 芳村 圭
(大気海洋研究所 准教授 (生産技術研究所 准教授 兼任))

  気象学に親しみを感じる本 木口 雅司
(生産技術研究所 特任助教)

  水・土・農の関わりを学ぶ本 辻本 久美子
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 特任助教)

  地形を科学的によみとく本 早川 裕弌
(空間情報科学研究センター 助教)

  豪雨と災害を考える際に役立つ本 内海 信幸
(生産技術研究所 特任研究員)

  温暖化関連研究の基礎を学ぶための本 渡部 哲史
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士3年)

  大気と水の関係を学ぶための本 鈴木 聡
(大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士2年)

  水ビジネスに関する参考書物 吉村 和就
(グローバル・ウォータ・ジャパン 代表、麻布大学 客員教授)

  水源涵養に興味のある方に 芦刈 俊彦
(サントリービジネスエキスパート株式会社 水科学研究所長)

  資源と社会との関わりを読み解く方法論 永田 淳嗣
(総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 准教授)

  河川流域の構造と管理の実態がわかる本 知花 武佳
(大学院工学系研究科社会基盤学 准教授)

  推薦図書 大熊 那夫紀
(株式会社日立プラントテクノロジー 環境エンジニアリング事業部副事業部長兼事業企画本部副本部長)

  水道事業と国際協力 平 久
(横浜市水道局事業事業推進部事業開発課長)

  都市における水 窪田 亜矢
(大学院工学系研究科都市工学専攻 准教授)

  川と人との関係を知り、川との付き合い方を学ぶための本 大熊 孝
(NPO法人新潟水辺の会代表、新潟大 名誉教授)

  ➣New  
  作物栽培や食料生産分野と水

鴨下 顕彦
(アジア生物資源環境研究センター 地域資源評価研究室 准教授)

  初学者が農業水利の分野を知る上で有用な書籍 飯田 俊彰
(農学生命科学研究科 准教授)

  初学者に有用である(と思う)書籍 木村 匡臣
(農学生命科学研究科 研究員)

  推薦図書 前川 美湖
(総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教)

   

   

 ※上記以外についても順次公開していく予定です。







【 読むといろいろ興味深い書物 】

沖 大幹 教授
~生産技術研究所(「水の知」(サントリー)総括寄付講座兼任)~
 
 
 
 
         
[1] 水環境の気象学
  [2] 水と気象
  [3] 日本の水資源
         
出版   朝倉書店
著者    近藤純正 編著
ISBN10  4254161107
ISBN13  978-4254161106
発売日  1994/04
  出版    朝倉書店
著者    榧根勇
ISBN10  4254165811
ISBN13  978-4254165814
発売日  1989/02
  出版   東京大学出版会
著者    高橋 裕
ASIN   B000JAIO1I  

発行日  1963
         
推薦文
  推薦文
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境界層、陸面の水・エネルギー収支について、植生や積雪面を含めて基礎から当時の先端まで書かれている。水文気候や人体の水収支についても言及されている。

 

地理学的な水文気候学の本。気象学との接点を模索しつつも、世界の気候帯ごとの水収支の特徴などについて総説。砂漠化、酸性雨、温暖化についても触れている。

 

高度成長期を迎え、水資源開発が急務となっていた時代の勢いが伝わってくる本。国土の変貌と水害(岩波新書、1979)の内容もすでに盛り込まれていてお徳。





【 流域と森のマネジメントを考える本 】

横尾 善之 准教授
〜福島大学共生システム理工学類環境システムマネジメント専攻〜
(前「水の知」(サントリー)総括寄付講座)
 
 
 
 
         
[1] [増補]洪水と治水の河川史
   ~水害の制圧から受容へ

  [2] 緑のダム
  [3] 森林・水・土の保全
   湿潤変動態の水文地形学

         
出版   平凡社
著者    大熊孝
ISBN10  4582766110
ISBN13  978-4582766110
発売日  2007/05
  出版   築地書館
著者   蔵治光一郎・保屋野初子
ISBN10  4806713007
ISBN13  978-4806713005
発売日  2004/12
  出版   朝倉書店
著者    塚本良則
ISBN10  4254470274
ISBN13  978-4254470277
発売日  1998/07
         
推薦文
  推薦文
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日本の治水史を踏まえて自然との共生を目指す時代の洪水対策のあり方を説いている.本書を通じて自助・共助・公助の重要性を再認識させられる.

 

いわゆる「緑のダム」について,各分野の研究成果や主張を紹介しながら科学的に検証しており,緑のダムについて概観できる本.特に,蔵治の鋭い主張は興味深い.

 

日本の山地森林における物理過程に関する研究成果や土砂災害防止技術を取りまとめた良書.専門家向けの入門書であるが,分かりやすく記述されている.





【 水環境汚染を考える本 】

村上 道夫 特任助教
~「水の知」(サントリー)総括寄付講座~
 
 
 
 
         
[1] 沈黙の春
  [2] 奪われし未来
  [3] 海辺のペレットをさがして
(環境と人間)

         
出版   新潮文庫
著者    レイチェル・カーソン
青樹簗一 (翻訳)
ISBN10  4102074015
ISBN13  978-4102074015
発行日  1974/02
  出版   翔泳社
著者   シーア・コルボーンら
長尾力ら(翻訳)
ISBN10  4881359851
ISBN13  978-4881359853
発行日  2001/02
  出版   小峰書店
著者    大竹千代子

ISBN10  4338104090
ISBN13  978-4338104098
発行日  2000/10
         
推薦文
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農薬などの人為的化合物による環境汚染の危険性を警告した歴史的な本。ここで挙げられた物質の一部は、その後、国際的な規制の対象となり、今振り返ってもその果たした役割は大きい。

 

「沈黙の春」の出版から35年後に出版され、その志を引き継いだ書といわれる。内分泌撹乱作用を指摘したことで知られる。「沈黙の春」と「奪われし未来」を比べ、その時間の流れを意識すると、毒性の定義が時代によって異なることが分かる。

 

対象は小学生以上。ペレットとは、プラスチックの製品の中間材料の小さい粒で、 「沈黙の春」と「奪われし未来」で言及されたような汚染物質が蓄積されている。身近に存在するものが、想像もしなかったようなプロセスで、水環境を汚染することが分かる。





【 国際水資源問題を考える本 】

田中 幸夫 特任助教
~「水の知」(サントリー)総括寄付講座~
 
 
 
 
         
[1] 水がつくったアジア
  [2] 水の世紀〜貧困と紛争の平和的解決にむけて〜
  [3] Environmental Diplomacy
         
出版   家の光出版
著者    真勢徹
ISBN10  4259544462
ISBN13  978-4259544461
発行日  1994/05
  出版   日本経済評論社
著者   村上雅博
ISBN10  4818814679
ISBN13  978-4818814677
発行日  2003/03
  出版   Oxford Press.
著者    L. E. Susskind
ISBN10  0195075943
ISBN13  978-0195075946
発行日  1994/02
         
推薦文
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アジアモンスーン地域における水と農業のかかわり,それを支える文化,そして近代の開発による影響を国ごとにわかりやすくまとめてある.日本の農業水利との比較も興味深い.

 

世界の主要な国際河川紛争の様相を概観できる貴重な日本語文献.著者が元技術者であるため,定量的データも豊富.

 

コンフリクトマネジメントの大家による国際資源・環境紛争処理の教科書.豊富な事例とともに環境紛争ならではの特性・合意形成方法を紹介している.

 





【 水中の病原微生物を考える本 】

片山 浩之 准教授
~大学院工学系研究科都市工学科~
 
 
 
 
         
[1] DNAの冒険
-言葉と人間を自然科学する

  [2] 感染地図
-歴史を変えた未知の病原体

  [3] 水道の病原微生物対策
         
出版   言語交流研究所
ヒッポファミリーグラブ
著者    近藤純正 編著
ISBN10  4906519032
ISBN13  978-4906519033
発売日  1998/03
  出版    河出書房新社

著者    スティーヴン・ジョンソン
ISBN10  4309252184
ISBN13  978-4309252186
発売日  2007/12
  出版   丸善

著者    金子 光美 編著
ISBN10  4621076825  
ISBN13  978-4621076828
発行日  2006/01
         
推薦文
  推薦文
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この本の前半部分は、生物学をあまり勉強してこなかった学生が、生化学、遺伝子、分子生物学を習得するための本として最適。全体像を見失わない姿勢は評価できる.

 

19世紀のロンドンを舞台として、コレラを突き止める物語をきれいにまとめている。J. Snow は禁酒家だったため、ウイスキーを薄める生水に着目したらしい.

 

水系感染しうる病原微生物について、基礎的知見から実務的な対策までを最新の知見に基づきまとめている。文献がしっかり引用されているところも評価できる.





【 地下水と環境・社会との関係を考える本 】

徳永 朋祥 准教授
〜新領域創成科学研究科環境システム学専攻〜
 
 
 
 
         
[1] 見えない巨大水脈
   地下水の科学

  [2] シビルアクション
  ある水道汚染訴訟 (上・下)

  [3] 文明崩壊
  滅亡と存続の命運を分けるもの (上・下)

         
出版   講談社
著者   日本地下水学会井田徹治
ISBN10  4062576392
ISBN13  978-4062576390
発売日  2009/05
  出版   新潮社
著者   J・ハー
ISBN10  4102172114
ISBN13  978-4102172117
発売日  2000/01
  出版   草思社
著者    ジャレド・ダイヤモンド
ISBN10  4794214642
ISBN13  978-4794214645
発売日  2005/12
         
推薦文
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貴重な水資源としての地下水という立ち位置から包括的に地下水に関する解説がなされている入門書.地下水のことを全く知らない人でも読み進められるように工夫がなされており、概要をつかむ上では良い本だと思う.

 

米国で実際に発生した地下水汚染とそれに伴う被害の裁判について綿密な取材に基づいて書かれたノンフィクション.科学がどのように(米国の)裁判で取り扱われたかという点も興味深い.この問題をさらに知りたい人は、裁判と並行して行われた科学的調査の結果も併せて読むと良いと思う.

 

崩壊する文明と存続する文明について多くの事例に基づきその要因を描き出そうとする興味深い内容である.資源確保の重要性や土壌管理の問題がクローズアップされているのも面白い.





【 「水」に興味を持った人へ 】

川崎 雅俊
~サントリーホールディングス株式会社水科学研究所~
 
 
 
 
         
[1] 水のはなし(Ⅰ~Ⅲ)
  [2] 4℃の謎
    水の本質を探る

  [3] 水の世界地図
         
出版   技報堂出版
著者    高橋 裕 編

ISBN10  476551434X
ISBN13  978-4765514347
発行日  1982/01
  出版   北海道大学図書刊行会
著者   荒川 泓

ASIN     4832971514
ISBN13  978-4832971516
発行日  1991/05
  出版  丸善
著者   Robin Clarke, Jannet King      沖大幹 監訳
ISBN10  4621076442
ISBN13  978-4621076446
発行日  2006/01
         
推薦文
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水資源に関する幅広いテーマが取り上げられ、専門的な内容を、できるだけ平易にかつ読み物として読めるように書かれているので、楽しく読み進められます.また、一つ一つのテーマ完結型のため、興味を持ったところだけを読めば良いという点も良いと思います.

 

科学の知識が無いと読みにくいため、「水」に興味を持った人へ、というテーマで選ぶべき本ではないかもしれませんが、古くて新しいテーマである水の物理化学的特性について、分かりやすく解説した本だと思うので紹介させていただきました.

 

よく耳にはするものの、日本人には実際の問題が実感しにくい「水問題」を、地図という表現を用いながら分かりやすく示された本です.「水問題」に興味を持った人が最初に目を通すことで全体像を把握するのに適していると思います.





【 子供と見たい”水” 】

坂田 加奈子
~「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任研究員~
 
 
 
 
         
[1] ひとしずくの水
    A DROP OF WATER

  [2] おじいちゃんは水のにおいがした
  [3] 水の名前
         
出版   あすなろ書房
著者    ウォルター ウィック
ISBN10  4751515659
ISBN13  978-4751515655
発行日  1998/06
  出版   偕成社
著者   今森 光彦
ISBN10  4030164005
ISBN13  978-4030164000
発行日  2006/04
  出版   平凡社
著者    内山 りゅう
ISBN10  4582277624
ISBN13  978-4582277623
発行日  2007/02
         
推薦文
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“水ってなんだろう”の疑問を視覚と簡単な言葉で理解できる本です.科学のおもしろさにも触れることができると思います.

 

子供の絵本を探していると、一度は目にする写真家の写真と水と古き良き日本の守りたい姿が印象的です.

 

水に関する様々な美しい言葉から日本の豊かな水環境を写真のイメージと一緒に伝えることができる本だと思います.

 





【 古水文環境復元に関する本 】

小口 高
~空間情報科学研究センター 教授~
 
 
 
 
         
[1] Flood Geomorphology   [2] Palaeohydrology    Understanding Global Change
  [3] 日本の地形Ⅰ-総説
         
出版   Wiley-Interscience
著者    V.R. Baker, R.C. Kochel,       P.C. Patton (Eds.)
ISBN10  0471625582
ISBN13  978-0471625582
発行日  2009/01
  出版   Wiley
著者   K.J. Gregory, G. Benito       (Eds.)
ISBN10  0470847395
ISBN13  978-0470847398
発行日  2003/06
  出版   東京大学出版会
著者    米倉伸之・野上 道男・
貝塚 爽平・ 鎮西 清高(編)
ISBN10  4130647113
ISBN13  978-4130647113
発行日  2001/03
         
推薦文
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今や古典であるが,地形・地質を用いた古洪水の復元に関する内容は現在も十分に通用する.特に「淀み水堆積物」に関する記述が充実.

 

国際第四紀学会の古水文学研究グループの成果をまとめた数冊の本のうち,最も新しいもの.データベースに関する章を執筆.

 

古水文復元に関する日本語の書籍は皆無といって良いが,その背景となる地形学の基本的な知識は,この本で得られる.

 





【 宙(そら)と雨を考える本 】

瀬戸 心太
~生産技術研究所 講師~
 
 
 
 
         
[1] 雨の科学-雲をつかむ話
  [2] 宇宙から見た雨2
  [3] 宇宙創成(上・下)
         
出版   成山堂書店
著者   武田 喬男
ISBN10  4425551419
ISBN13  978-4425551415
発行日  2005/05
  出版  宇宙航空研究開発機構
著者  地球観測研究センター(編)ISBN10  
ISBN13  
発行日  2009
  出版   新潮社
著者    Simon Singh・青木薫(訳)
ISBN10  4102159754
ISBN13  978-4102159750
発行日  2009/01
         
推薦文
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雨の降るメカニズム、雨の観測方法など、雨に関係する科学の基礎を、一般向けに丁寧に説明している.気象・降水研究の第一人者であった武田先生の遺作である.

 

雨を観測する人工衛星(TRMM)の10年間の成果を豊富な図表とともに分かりやすく紹介している.科学的な背景の説明もあるため、教科書としても使えるだろう.

 

宇宙創成のなぞに迫る一般書.電波を使った観測(電波天文学)が大きく貢献したことが紹介されている.これにあやかり、電波を使って雨の観測を行う、自身の研究を、「電波水文学」と名づけた.

 





【 日本の川の歴史を考える本 】

中村 晋一郎
~「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教~
 
 
 
 
         
[1] 川の道
  [2] 国土づくりの礎~川が語る日本の歴史
  [3] 誰でも行ける 意外な水源・不思議な分水-ドラマを秘めた川たち
         
出版   八坂書房
著者    宮本 常一
ISBN10  4896949447
ISBN13  978-4896949445
発行日  2009/10
  出版   鹿島出版会
著者   松浦 茂樹
ISBN10  4306023206
ISBN13  978-4306023208
発行日  1997/06
  出版   東京書籍
著者    堀 淳一
ISBN10  4487754135
ISBN13  978-4487754137
発行日  1996/08
         
推薦文
  推薦文
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著者らが昭和期に巡った日本の川を、舟運路=「川の道」という視点から綴った一冊.つい先日まで残っていた人と川が織りなす原風景を、この本の中に見ることができる.

 

貴重な一次資料をもとに、我が国の河川改修の歴史について論じた一冊.川と都市、そして国土が如何に不可分であるか改めて考えさせられる.図版だけでも一見の価値あり.

 

地形学の視点から、川の水源・分水を辿る一冊.川がとても長い年月をかけて形造られてきたことを、改めて認識させられる.登場する水源へは是非足を運びたい.






酒井 宏治
~大学院工学系研究科都市工学専攻 特任助教~
 
 
 
 
         
[1] 小宇宙としての湖
  [2] 飲料水に忍び寄る
有毒シアノバクテリア

  [3] アオコが消えた諏訪湖
         
出版   大月書店
著者    西條 八束
ISBN10  4272401556
ISBN13  978-4272401550
発行日  1992/10
  出版   裳華房
著者   彼谷 邦光
ISBN10  4785358351
ISBN13  978-4785358358
発行日  2001/06
  出版   信濃毎日新聞社
著者    沖野 外輝夫・花里 孝幸
ISBN10  4784010033
ISBN13  978-4784010035
発行日  2005/10
         
推薦文
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陸水学の入門書.湖沼や富栄養化の問題に興味を持ったらまずはこれ.これまでの歴史などが平易に解説されている.

 

有毒藍藻類の入門書.有毒藍藻類の問題やそれに対する対策を分かりやすくまとめている.

 

諏訪湖に発生するアオコの変遷について、信州大学の研究成果を踏まえて解説した本.





【 水と科学の歴史を辿る本 】

山崎 大
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士1年~
 
 
 
 
         
[1] 水の文化史-水文学入門
  [2] 気象の数値シミュレーション (気象の教室)
  [3] 宇宙創成(上・下)
         
出版   文一総合出版
著者    A.ビスワス
ASIN   B000J8FSY6

発行日  1979/07
  出版   東京大学出版会
著者   時岡 達志他
ISBN10  4130647059
ISBN13  978-4130647052
発行日  1993/04
  出版   新潮社
著者    Simon Singh・青木薫(訳)
ISBN10  4102159754
ISBN13  978-4102159750
発行日  2009/01
         
推薦文
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人々は水循環をどう捉えてきたか、紀元前から18世紀までの水文学発展の歴史を解説.河川の流れというマクロスケール現象を適切に認識する難しさを感じられる.

 

気象を数値モデルで表現する手法を、GCM開発の歴史を追いながら説明する.自然現象をモデル化する際の哲学が感じられる1冊.

 

水関係ではありませんが・・・宇宙論の発展を綴った人気作家の1冊.「観測」と「理論」が相互補完しながら真実に迫るという過程が、水文学に近く、非常に感動的だった.





【 水災害と水循環シミュレーションに関する本 】

新田 友子
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士1年~
 
 
 
 
         
[1] 地圏水循環の数理   [2] 国土の変貌と水害
  [3] 豪雨・洪水災害の減災に向けて
         
出版   東京大学出版会
著者    登坂 博行
ISBN10  4130628135
ISBN13  978-4130628136
発行日  2006/12
  出版   岩波書店
著者   高橋 裕
ASIN   B000J9OJY0

発行日  1971
  出版   技報堂出版
著者    辻本 哲郎
ISBN10  4765517020
ISBN13  978-4765517027
発行日  2006/06
         
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陸域水循環シミュレーションの基礎となる物理プロセスを,数理的な側面から分かりやすく説明している.「地圏の水環境科学」と合わせて読むとよい.

 

明治以降の国土の急速な変貌と水害の関係を論じ,氾濫を許容しない河川整備が洪水流量を増加させる結果を招いたことを示している.40年近く前に出版されている本だが,現在の治水対策を考える上でも学ぶところが多い.

 

豪雨、台風による水害を受けて行われた講演会の内容をまとめた本.水災害の減災に向けた課題と,これから取るべき対策について,講演者それぞれの専門的な立場から説明している.





【 リスクと水害に関する本 】

簑島 大悟
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 修士2年~
 
 
 
 
         
[1] リスクのモノサシ
  [2] 環境リスク学
  [3] 水害―治水と水防の知恵
         
出版   日本放送出版協会
著者    中谷内 一也
ISBN10  4140910631
ISBN13  978-4140910634
発行日  2006/07
  出版   日本評論社
著者   中西 準子
ISBN10  4535584095
ISBN13  978-4535584099
発行日  2004/09
  出版   中央公論社
著者    宮村 忠
ISBN10  4121007689
ISBN13  978-4121007681
発行日  1985/06
         
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インフルエンザ、BSE、ガンなど、様々なリスクについての判断、接し方について説明している.リスク指標作成に関しても記述されている.

 

著者の研究人生を振り返りつつ、リスクについての考え方、およびリスク研究者としてのあり方を主張している。厚労省とのやり取りの様子が興味深い.

 

江戸から昭和初期くらいまでを中心に、日本各地の治水・水防の歴史を紹介している.被害を少しでも減少させるための住民の知恵が紹介されている.





【 安定同位体の基礎・応用例などが書かれた本 】

松尾 修
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 修士1年~
 
 
 
 
         
[1] 安定同位体地球化学
  [2] 同位体地球化学の基礎
  [3] 生物地球化学
         
出版   東京大学出版会
著者    酒井 均
ISBN10  4130607138
ISBN13  978-4130607131
発行日  1996/05
  出版   シュプリンガージャパン
著者   J. ヘフス
ISBN10  4431712453
ISBN13  978-4431712459
発行日  2007/06
  出版   培風館
著者    南川 雅男
ISBN10  4563049050
ISBN13  978-4563049058
発行日  2006/01
         
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安定同位体の歴史、理論および生物地球化学の分野について詳しく学べる一冊である.

 

数少ない安定同位体に関する入門書である.安定同位体の基礎知識を得るために役立つ一冊である.

 

地球科学に関する概要について述べており、各論では宇宙・大気などについて述べられている.地球科学を学ぶ上で役立つ一冊である.





【 都市水システムに関する本 】

滝沢 智
~大学院工学系研究科都市工学専攻 教授~
 
 
 
 
         
[1] 崩壊の予兆(上、下)   [2] Liquid Assets, A History of New York City's Water System
  [3] 人間開発報告書2006-水危機神話を超えて
         
出版   河出書房新社
著者    ローリー・ギャレット
ISBN10  4309251722
ISBN13  978-4309251721
発行日  2003/08
  出版   Purple Mountain Press
著者   Diane Galusha
ISBN10  0916346730
ISBN13  978-0916346737
発行日  1999/09
  出版   国際協力出版会
著者    国連開発計画
ISBN10  4906352626
ISBN13  978-4906352623
発行日  2007/04
         
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原題は"Betrayal of Trust"である。現代の先進国社会は、これまで膨大な努力を傾注して築いてきた感染症に対する防御システムとしては社会インフラの存在をa prioriなものとして信頼しているが、その信頼が崩れたときに世界がどのような危機に直面するかを記述した書籍である.

 

現代のニューヨークの水システムは、はるか上流のデラウェア川から、無処理の水を重力で運ぶシステムを構築しているが、このようなシステムが出来上がるまでに、マンハッタンにも巨大な井戸や貯水池があったことなどが示されており、都市の発展と水システムの開発の歴史を学ぶのに最適な書である.

 

Human Development Report2006の和訳版.原書(英語)は、インターネットで閲覧できる。副題にある通り、水資源をめぐるグローバルな問題について特集しており、水をめぐる権力や貧困問題、MDGsの課題、農業用水をめぐる争いや国際紛争などについて、わかりやすくまとめられている.





【 河川開発に関する本 】

中山 幹康
~新領域創成科学研究科国際協力学専攻 教授~
 
 
 
 
         
[1] メコン河 開発と環境
  [2] 補償の理論と現実 ダム補償を中心に
  [3] 国土の変貌と水害
         
出版   古今書院
著者    堀 博
ISBN10  4772214437
ISBN13  978-4772214438
発行日  1996/03
  出版   勁草書房
著者   華山 謙
ASIN   B000J9KCP0
ISBN13  978-4326500185
発行日  1969
  出版   岩波新書
著者    高橋 裕
ASIN   B000J9OJY0

発行日  1971
         
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1950年代から1960年代にかけて,東南アジアのメコン河に魅入られたように,その流域開発計画策定に心血を注いだ日本人が,この本の筆者を含めて何人も居た.彼らがメコン河に描いた夢は何であったのかを,実感することは難しくても,その血の熱さはこの本から如実に伝わってくる.メコン河の開発史を研究していた私に,「君のような若い人は,もっと前向きの研究をするべきだ」と諭して下さった,筆者の声音と眼差しを想い出す.

 

40代半ばで亡くなった方ながら,夭折という言葉がこの本の筆者には相応しい.環境問題や土地問題の論客として知られていた筆者の博士論文が,この本の骨子である.筆者の尋常ではない研究者としての力量が,この博士論文に反映されている.高度成長期からバブル経済が頂点に達する直前まで言論界で活躍していた筆者が,もしも存命であったら,「下り坂」にある現在の日本に如何なる提言をされるのだろうか.

 

無礼を顧みず「高橋裕回想録は何時出版されるのですか?」と,この本の筆者に何回問うただろうか.回想録が出版される日まで,筆者による多くの著作を読み返すことにしよう.「国土の変貌と水害」の内容は,学部生時代に聴いた筆者による講義と二重写しになる.国内河川に関する逸話の後で,世界の大河川の名称を,原語で黒板に書き並べる筆者の姿に覚えた感動が鮮明に蘇る.

 




【 土地と水の統合的管理に関する本 】

蔵治 光一郎
~大学院農学系研究科愛知演習林 講師~
 
 
 
 
 
         
[1] 森と水の関係を解明する 現場からのメッセージ
  [2] 水をめぐるガバナンス ー日本、アジア、ヨーロッパの現場から
  [3] 水の革命 ―森林・食糧生産・河川・流域圏の統合的管理
         
出版   全国林業改良普及協会
著者    蔵治 光一郎
ISBN10  4881382381
ISBN13  978-4881382387
発行日  2010/04
  出版   東信堂
著者   蔵治 光一郎(編)
ISBN10  4887138083
ISBN13  978-4887138087
発行日  2008/02
  出版   築地書館
著者    イアン・カルダー(蔵治光一郎・林裕美子監訳)
ISBN10  4806713597
ISBN13  978-4806713593
発行日  2008/01
         
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東京大学愛知演習林に赴任後、「森と水」の「作用」についての自然科学研究から 「森と水と人」の「作用、機能、価値、制度」の研究に踏み出した著者の7年間の集大成.

 

日本学術振興会人文・社会科学振興のためのプロジェクト研究事業「水のグローバ ル・ガバナンス」プロジェクトの成果の一つ.第19回高知出版学術賞を受賞.

 

イギリス水文学研究所(IH)で森林水文学を研究しつつ、水や森林の管理の専門家と して数多くの途上国援助に携わった経験をもつ著者の遺言となった名著.「水のグ ローバル・ガバナンス」プロジェクトメンバーが翻訳を手掛けた.

 





【 水と災害に関する本 】

牛山 素行
~静岡大学 防災総合センター 副センター長・准教授~
 
 
 
 
         
[1] 自然災害と防災の科学
  [2] 気象・災害ハンドブック
  [3] 防災人間科学
         
出版   東京大学出版会
著者    水谷 武司
ISBN10  4130627082
ISBN13  978-4130627085
発行日  2002/06
  出版   日本放送出版協会
著者   NHK放送文化研究所 (編集)
ISBN10  4140112158
ISBN13  978-4140112151
発行日  2005/11
  出版   東京大学出版会
著者    矢守 克也
ISBN10  4130111264
ISBN13  978-4130111263
発行日  2009/09
         
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現在刊行されている数少ない「自然災害全般を扱った教科書的出版物」の一つ. 地震災害から気象災害までほとんどのハザードを網羅し,それらの基礎的な構造を紹介すると共に,自然災害についての概念にも触れている.

 

自然災害に関するハンディな用語集のひとつ.専門外の読者にも分かりやすい内容となっている.これまで4回刊行されており,既刊は気象用語集的な色彩が強かったが,2005年刊の現行版は,地震,火山,河川に関わる用語も取り上げられ,災害を意識した内容になっている.

 

伝統的に自然科学系の研究者が主体であった災害科学分野において,人文・社会 科学系研究者が「ゲスト」ではなく「パートナー」として参画することはいろいろな困難がある.同書は人文・社会科学系災害研究者のパイオニアである著者による,果敢な挑戦の成果が専門書としてとりまとめられている.





【 読むといろいろ興味深い書物 】

沖 大幹
~生産技術研究所 教授~
 
 
 
 
         
[1] 「食料自給率」の罠 輸出が日本の農業を強くする   [2] ミネラルウォーター・ショック ペットボトルがもたらす水ビジネスの悪夢
  [3] 水はなんにも知らないよ
         
出版   朝日新聞出版
著者    川島 博之
ISBN10  4023308307
ISBN13  978-4023308305
発行日  2010/08
  出版   河出書房新社
著者   エリザベス・ロイト著
      矢羽野 薫訳
ISBN10  4309245218
ISBN13  978-4309245218
発行日  2010/06
  出版   ディスカヴァー・トゥエンティワン
著者    左巻 健男
ISBN10  488759528X
ISBN13  978-4887595286
発行日  2007/02
         
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食料自給率はそのまま放置していた方が農家は幸せだ,という皮肉な言い方で農業をめぐる現状を鮮やかに解説している.

 

アメリカの飲み水事情が日本と大差ないことがよくわかるルポルタージュ.読み応えあり.

 

水にこめられた様々な思いにつけ込み,怪しい水ビジネスで儲けようとする企みに対して,真っ向から丁寧に警鐘を鳴らしている本.





【 都市水環境工学の教科書 】

村上 道夫
~総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)寄付講座 特任助教~
 
 
 
 
         
[1] 水環境工学
  [2] 水道の来し方行く末
  [3] Water Reuse
         

出版   大学土木
著者    田中修三ら(著)松尾友矩(編)
ISBN10  4274201686
ISBN13  978-4274201684
発行日  2005/12

  出版   環境技術学会
著者   金子 光美


発行日  2009/12
  出版   McGraw-Hill Professional
著者    Takashi Asanoら
ISBN10  0071459278
ISBN13  978-0071459273
発行日  2007/01
         
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水環境の基礎科学,上下水道の設計および技術解説,流域管理計画を扱う,都市水環境工学を概観するに最適の教科書.

 

水道の始まりから現在までの変遷に沿って,各時代に生じた諸問題とその対策としての浄水技術が平易に解説されている.日本の上水道史を理解する上で有用であると同時に,水道の未来を考える上で示唆に富む本である.

 

下水の再利用に関する技術解説,ガイドライン,リスク評価などを扱う「大事典」.各種データが表にまとめられてて使いやすい.Namibiaにおける再生水の直接飲用利用などの事例紹介も面白く,充実している.
水再生利用学-持続可能社会を支える水マネジメント」と題した日本語版も刊行されている.

 




【 水資源管理における技術の役割について考える本 】

田中 幸夫
~総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)寄付講座 特任助教~
 
 
 
 
 
         
[1] 成長の限界
  [2] 鯨と原子炉
  [3] 地球温暖化スキャンダル
         
出版   ダイヤモンド社
著者    D.H. メドウズ
ISBN10  4478200017
ISBN13  978-4478200018
発行日  1972/05
  出版   紀伊國屋書店
著者   L. ウィナー
ISBN10  4314008172
ISBN13  978-4314008174
発行日  2000/02
  出版   日本評論社
著者    S. モシャー
ISBN10  4535786526
ISBN13  978-4535786523
発行日  2010/06
         
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今から40年近く前の本だが,技術革新に伴う副次効果に関する洞察は今読んでも新鮮.同時期にScience誌に発表されたHardinの「Tragedy of Commons」と併せて読んでもらいたい.

 

「技術の哲学」の第一人者による読み物.「技術は政治的に中立たりえない」という主張とその論証が興味深い.ただし和訳があまりよくないので原文を読んだ方がいいかも.

 

IPCC報告書作成舞台裏の暴露本.内容には多少の誇張もあるのだろうが,それでも驚愕に値する.科学の持つ暴走のリスクを社会に提示してくれる.

 





【 水の歴史を考える本 】

中村 晋一郎
~総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)寄付講座 特任助教~
 
 
 
 
         
[1] パリが沈んだ日
  [2] 日本の歴史をよみなおす
  [3] 流域
         
出版   白水社
著者    佐川 美加
ISBN10  4560080410
ISBN13  978-4560080412
発行日  2009/12
  出版   ちくま学芸文庫
著者   網野 善彦
ISBN10  4480089292
ISBN13  978-4480089298
発行日  2005/07
  出版   新潮文庫
著者    高橋 治
ISBN10  4101039143
ISBN13  978-4101039145
発行日  1993/04
         
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花の都・パリも類にもれず,洪水に悩まされた都市であった.本著ではパリの洪水史が,貴重な資料と共に描かれている.著者は地理学が専門であり,セーヌ川の流路改変の歴史にも詳しく,河川学入門としてもおススメしたい一冊.

 

言わずと知れた,日本史の名著だが,「川」や「海」といった,水に関するキーワードに着目して読むと,また新たな日本の歴史が浮かび上がってくる.実は,日本と水の歴史を振り返るのにも適した教科書であった.

 

四万十川を舞台に,主人公を取り巻く人間模様を描いた小説. 物語とともにエッセイが並列して描かれており,エッセイでは,四万十川の多様な河川文化がユーモラスな文章でもって綴られている.おススメの一冊.





【 水質研究の歴史に関連する本 】

小口 高
~空間情報科学研究センター 教授~
 
 
 
 
         
[1] 沈黙の春   [2] 医学探偵ジョン・スノウ
  [3] 辛酸―田中正造と足尾鉱毒事件
         
出版   新潮文庫
著者    レイチェル・カーソン
青樹簗一 (翻訳)
ISBN10  4102074015
ISBN13  978-4102074015
発行日  1974/02
  出版   日本評論社
著者   サンドル・ヘンペル
ISBN10  4535585415
ISBN13  978-4535585416
発行日  2009/07
  出版   角川グループパブリッシング
著者    城山 三郎
ISBN10  404131013X
ISBN13  978-4041310137
発行日  1979/05
         
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原著は1962年にアメリカで発表.農薬,殺虫剤などが水環境に与える影響を指摘.ケネディ大統領もDDTなどに関する記述には行き過ぎもあったようだが,環境運動の原点として重要.

 

ジョン・スノウは疫学の父として知られているが,コレラが水で伝搬することをオーバーレイを用いた地図を用いて示した研究により,GISの原点にもなっている.

 

駒場時代に読み,衝撃を受けた本.地理学という環境に関連する分野を専攻する理由の一つにもなった.今は観光地ともいえる現場も,訪れたい.





【 火山水を化学する本 】

穴澤 活郎
~新領域創成科学研究科自然環境学専攻陸域環境学講座  准教授~
 
 
 
 
         
[1] 地熱流体の化学
  [2] 熱水の地球化学
  [3] 湖水爆発の謎を解く カメルーン・ニオス湖に挑んだ20年
         

出版   東京大学出版会
著者    鎌田 政明ほか
ISBN10  4130610864
ISBN13  978-4130610865
発行日  1985/06

  出版   裳華房
著者   松葉 谷治
ISBN10  4785385529
ISBN13  978-4785385521
発行日  1991/07
  出版   岡山大学出版会
著者    日下部 実
ISBN10  490422812X
ISBN13  978-4904228128
発行日  2010/06
         
推薦文
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温泉水や火山ガスなどの地熱流体を分析・地球化学の複数の専門家が様々な視点から解説している.やや専門的であるため,大学院生レベルでも読み応えがある.

 

天然の熱水には温泉水のほか,火山ガスの水蒸気,地熱発電に使われる熱水など様々なものがある.それらの起源や生成過程を詳細に説明している.

 

1986年8月21日.カメルーン国ニオス湖近隣の住民1800人が一夜にして謎の死をとげた.地球化学者が読み解く世界でも稀に見る湖水爆発のメカニズムとその防止策.

 




【 水情報をコントロールするために役だつ本 】

沖 一雄
~生産技術研究所 講師~
 
 
 
         
[1] Optical Properties and Remote Sensing of Inland and Coastal Waters
  [2] 河川汚濁のモデル解析
  [3] 千のイタリア
         
出版   CRC Press
著者    Robert P.Bukata, John H. Jerome, Kirill Ya. Kondratyev, Dimitry V. Pozdnyakov


発行日  1995
  出版   技報堂出版
著者   国松 孝男, 村岡 浩爾
ISBN10  476553118X
ISBN13  978-4765531184
発行日  1989/04
  出版   NHK出版
著者    北村 暁夫
ISBN10  4149107084
ISBN13  978-4149107080
発行日  2009/12
         
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閉鎖性水域や沿岸域の水中物質による光学特性が分かりやすく記述されている.リモートセンシングによりこれらの水域を計測するためのキーポイントを知ることができる.

 

河川の有機物や窒素・リンによる汚濁現象の解明と,閉鎖性水域に対する汚濁負荷予測および水質保全対策に関する研究と実務に役立つことが分かりやすく記述されている.

 

長靴型に南北に細長いイタリアは,地域ごとに気候が大きく異なり,水と農業のかかわり,農民の暮らし,食文化、景観が多様である. 19世紀後半から20世紀前半の「千のイタリア」を知ることができる.





【 面白い科学の本 】

芳村 圭
~大気海洋研究所 准教授 (生産技術研究所 准教授 兼任)~
 
 
 
         
[1] 物理学とは何だろうか<上下>
  [2] 流れの科学―自然現象からのアプローチ
  [3] 統計学を拓いた異才たち
         
出版   岩波新書
著者    朝永 振一郎
ISBN10  4004200857
ISBN13  978-4004200857
発行日  1979/05
  出版   東海大学出版会
著者   木村 竜治
ASIN   4486008839
ISBN13  978-4486008835
発行日  1985/06
  出版   日本経済新聞社
著者    デイヴィッド サルツブルグ
ISBN10  4532351944
ISBN13  978-4532351946
発行日  2006/03
         
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文句なしの面白さ.地球物理学について,最後の方で素敵な言いまわしで少し述べられていて面白い.

 

流れの世界に引き込まれていく少年と海洋研N氏の物語.普段よく見る不思議な現象の仕組みが良くわかって面白い.

 

統計学が学問が成立していく過程もさることながら,天才(異才)統計学者の少しどろっとした人間模様が面白い.

 

 




【 気象学に親しみを感じる本 】

木口 雅司
~生産技術研究所 特任助教~
 
 
 
         
[1] 一般気象学
  [2] ワクワク実験気象学
  [3] 日本列島驚異の自然現象
         
出版   東京大学出版会
著者    小倉 義光
ASIN    4130627066
ISBN13  978-4130627061
発行日  1999/04
  出版   丸善
著者   Z. Sorbjan
ISBN10  4621047752
ISBN13  978-4621047750
発行日  2000/07
  出版   昭文社
著者    なるほど知図帳日本編集部(監修:武田康男)
ISBN10  4398143076
ISBN13  978-4398143075
発行日  2007/09
         
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降水現象をもたらす気象現象を理解するためには,気象学を知っておく必要がある.この本は,気象学を勉強する人は避けて通れないであろう基本を押さえた教科書である.

 

最近TVなどでもよく見られる“見(魅)せる科学実験”の気象版.身近なもので気象現象を再現する手法が豊富.科学者のコボレ話も読む人を引き付ける.

 

日本で見られる気象現象を豊富な写真で表したもの.自然現象がどこで見られるか地図上に示されていて,想像力を刺激する.

 

 




【 水・土・農の関わりを学ぶ本 】

辻本 久美子
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 特任助教~
 
 
 
         
[1] 環境土壌物理学〈1〉土と水の物理学―耕地生産力の向上と地球環境の保全
  [2] 地域環境水文学
  [3] 水利環境工学
         
出版   農林統計協会
著者    ダニエル・ヒレル著
ISBN10  4541026635
ISBN13  978-4541026637
発行日  2001/01
  出版   朝倉書店
著者   丸山利輔,三野徹
ISBN10  4254440227
ISBN13  978-4254440225
発行日  1999/09
  出版   朝倉書店
著者    丸山利輔 他
ISBN10  4254440219
ISBN13  978-4254440218
発行日  1998/03
         
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水文学の観点から土壌物理学的基礎を学ぶのには最適.水文モデルに多用される土壌パラメータの物理的意味などを勉強することができる.

 

主に農地水文(灌漑・排水学)の研究者らによって水文学の基礎が纏められた本.現地観測・データ解析・モデルに関しても,基礎的な従来手法に焦点を当てて纏められており,最新手法を学ぶ前の基礎を固めることができる.

 

農業用水,灌漑排水に関する専門書.世界の伝統的灌漑排水,水田・畑地それぞれの灌漑システムや用水量算定方法,地区排水・圃場排水の計画立案・施設設計理論,農業水利施設のあり方などについて述べられている.

 

 




【 地形を科学的によみとく本 】

早川 裕弌
~空間情報科学研究センター 助教~
 
 
 
         
[1] 地形変化の科学―風化と侵食
  [2] 地形がわかるフィールド図鑑
  [3] 日本の地形―特質と由来
         
出版   朝倉書店
著者    松倉 公憲
ISBN10  4254160526
ISBN13  978-4254160529
発行日  2008/01
  出版   誠文堂新光社
著者   青木 正博, 目代 邦康,
澤田 結基
ISBN10  4416209274
ISBN13  978-4416209271
発行日  2009/08
  出版   岩波新書
著者    貝塚 爽平
ISBN10  4004160383
ISBN13  978-4004160380
発行日  1977/03
         
推薦文
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カタい岩が風化をうけ,侵食されてゆく,その地形プロセスについて網羅的に学べる本.図も多く解説もわかりやすい.

 

オールカラーの地形解説書.さまざまな地形を取り扱っており,博物館の展示と同じレベルの解説.

 

もはや古典であり現代の地形学は反映されないが,入門書として読める本.現在の地形学にここまでの入門書がないのが残念..

 





【 豪雨と災害を考える際に役立つ本 】

内海 信幸
~生産技術研究所 特任研究員~
 
 
 
         
[1]  豪雨と降水システム
  [2]  An Introduction to Statistical Modeling of Extreme ValuesStuart Coles
  [3] 人はなぜ逃げおくれるのか
         
出版   東京堂出版
著者    二宮 洸三
ISBN10  4490204353
ISBN13  978-4490204353
発行日  2001/06
  出版   Springer
著者   Stuart Coles
ISBN10  1852334592
ISBN13  978-1852334598
発行日  2001/12
  出版   集英社
著者    広瀬 弘忠
ISBN10  4087202283
ISBN13  978-4087202281
発行日  2004/01
         
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読みなおす度にこの本の良さを改めて感じる. 日本の豪雨についても詳しい.  

極端現象を統計的に扱う極値統計学の定番.読みやすく,わかりやすい.極値統計を学ぶなら手元に置いておきたい一冊.

 

災害時の避難行動について,心理学の面から考える本.災害時になぜ人は逃げ遅れるのか?

 

 




【 温暖化関連研究の基礎を学ぶための本 】

渡部 哲史
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士3年~
 
 
 
         
[1] 地球温暖化の予測は「正しい」か?
  [2] 数値予報
  [3] Hydrology and Global Environmental Change
         
出版   化学同人
著者    江守 正多
ISBN10  4759813209
ISBN13  978-4759813203
発行日  2008/11
  出版   共立出版
著者   岩崎 俊樹
ISBN10  4320026772
ISBN13  978-4320026773
発行日  1993/12
  出版   Prentice Hall (UK)
著者    N.Arnel
ISBN10  0582369843
ISBN13  978-0582369849
発行日  2002/08
         
推薦文
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地球温暖化問題について、その予測がどのように行われているかを易しく解説している.誰にでもわかるように工夫されている説明の仕方が参考になる.

 

計算機を用いて大気の状態を予測するための数値モデルの基礎を解説している.モデルの解説のみならず,計算に必要なデータやその取扱いについても解説が詳しい.

 

地球温暖化などの地球規模の環境変化を念頭においた水文学の教科書.この分野の研究に必要な基礎を詳しく学ぶことができる.

 

 




【 大気と水の関係を学ぶための本 】

鈴木 聡
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 博士2年~
 
 
 
         
[1] 雨の科学-雲をつかむ話
  [2] 水環境の気象学―地表面の水収支・熱収支
  [3] エアロゾルの大気環境影響
         
出版   成山堂書店
著者    武田喬男
ISBN10  4425551419
ISBN13  978-4425551415
発行日  2005/05
  出版   朝倉書店
著者   近藤純正
ISBN10  4254161107
ISBN13  978-4254161106
発行日  1994/04
  出版   京都大学学術出版会
著者    笠原三紀夫,東野達編
ISBN10  4876986983
ISBN13  978-4876986989
発行日  2007/03
         
推薦文
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【雨に関する平易な文献】
雨粒から地球温暖化まで,様々なスケールからみた雨について分かりやすく解説されている.広い範囲を扱いつつ,最新の研究課題まで取り上げられている.

 

【水文気象学の教科書】
地表面付近に関して基本的な事項がコンパクトかつ詳細にまとめられている.数式は難しいものの,地表面に近い部分を取り扱うので親しみやすい.

 

【大気エアロゾル】
降水に与える影響が研究課題となっている大気エアロゾルについて,観測・モデリングの両面からまとめられている.東アジア域に重点がおかれている.

 





【 水ビジネスに関する参考書物 】

吉村 和就
~グローバル・ウォータ・ジャパン 代表、麻布大学 客員教授~
 
 
 
         
[1]  水ビジネス 110兆円水市場の攻防

  [2] 水ビジネスに挑む
  [3] 水ビジネスの新潮流
         
出版   角川書店
著者    吉村 和就
ISBN10  4047102164
ISBN13  978-4047102163
発行日  2009/11
  出版   技術評論社
著者   吉村 和就,沖 大幹
ISBN10  4774140449
ISBN13  978-4774140445
発行日  2009/11
  出版   環境新聞社
著者    吉村 和就
ISBN10  4860182057
ISBN13  978-4860182052
発行日  2011/01
         
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今,世界で水の争奪戦が始まっている.その原点を探るべく世界の水資源の現状や仮想水さらに水を巡る国家間の争い,地球温暖化による水の偏在,健康と水,さらに水ビジネスまで,筆者の国連勤務など豊富な海外経験を基に水に関する事項が幅広く述べられている.角川書店のロングセラーでもあり水ビジネスの入門編としては最適である.  

なぜ水ビジネスが100兆円ビジネスになるのか,未知なる巨大市場に水の本質を学問的に研究している東京大学の沖大幹教授と,国内外の水処理の現場を30年以上渡り歩いたグローバルウォータ・ジャパン吉村和就代表との対談形式の話題作である.水は誰のものか,問題が山積する日本の水,なぜ水がビジネスになるのかと幅広いジャンルに渡り,意見を戦わせている.

 

筆者が2010年から一年間環境新聞へ連載していた「水ビジネスの新潮流」の総集編である.具体的な数字や固有名詞が網羅され,ビジネスマンや学生にも理解されやすい内容である.水ビジネスは巨大かつ永遠のビジネス,海外水メジャーの戦略、グローバル企業はなぜシンガポールを拠点にするのか,世界各国は国を挙げて水ビジネスを展開している,さらに日本の水戦略,日本が世界に取るべき道は,と短編であるが読みやすい書である.

 

 




【 水源涵養に興味のある方に】

芦刈 俊彦
~サントリービジネスエキスパート株式会社 水科学研究所長~
 
 
 
         
[1] ゴチソウ山
  [2]  森林水文学
  [3]  日本の水資源
         
出版   角川春樹事務所
著者    山田 健
ISBN10  4758411441
ISBN13  978-4758411448
発行日  2009/10
  出版   森北出版
著者   森林水文学編集委員会 (編集)
ISBN10  4627290918
ISBN13  978-4627290914
発行日  2007/03
  出版   海風社
著者    国土交通省土地水資源局水資源部(編集)
ISBN10  4876160090
ISBN13  978-4876160099
発行日  2010/08
         
推薦文
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楽しく読みながらも深刻な里山での課題を理解できる環境小説.「サントリー天然水の森」活動を牽引する著者の経験の問題意識も共有できる.

 

多くの執筆者がそれぞれの視点で,森林に降った雨の運命を科学的に論じており,森林と水の関係を知るための必読書.

 

国交省が出す水資源の白書.国の考え方や水資源データを知るのに必需.環境省の「環境白書」や林野庁の「森林・林業白書」も目を通したい.

 

 




【 資源と社会との関わりを読み解く方法論 】

永田 淳嗣
~総合文化研究科広域科学専攻広域システム科学系 准教授~
 
 
 
         
[1]  環境学の技法
  [2] 人間の安全保障
  [3] 資源を見る眼-現場からの分配論
         
出版   東京大学出版会
著者    石 弘之 (編集)
ISBN10  4130321129
ISBN13  978-4130321129
発行日  2002/04
  出版   東京大学出版会
著者   高橋 哲哉 (著, 編集), 山影 進 (編集)
ISBN10  4130033522
ISBN13  978-4130033527
発行日  2008/04
  出版   東信堂
著者    佐藤 仁 (編集)
ISBN10  4887138172
ISBN13  978-4887138179
発行日  2008/03
         
推薦文
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環境問題に対する社会科学の様々な技法の意義と課題を再考した非標準的教科書.

 

社会科学の各分野でみられる「人間の安全保障的」な視座の転換を展望できる.環境問題に対しても多くの示唆を与える.

 

資源の持つ社会性や政治性に注目した,現場での実証や実践を踏まえた論考集.

 

 




【 河川流域の構造と管理の実態がわかる本 】

知花 武佳
~大学院工学系研究科社会基盤学専攻 准教授~
 
 
 
         
[1] 河川の科学(図解雑学)
  [2] 日本列島の誕生
  [3] 建設技術者のための地形図読図
入門全四巻

         
出版   ナツメ社
著者    末次 忠司
ISBN10  481634005X
ISBN13  978-4816340055
発行日  2005/09
  出版   岩波書店
著者   平 朝彦
ISBN10  4004301483
ISBN13  978-4004301486
発行日  1990/11
  出版   古今書院
著者    鈴木 隆介
ISBN10  4772250069
ISBN13  978-4772250061
発行日  1997/11
         
推薦文
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一般向けの簡単すぎる本?と思う
かもしれませんが,これを一通り目
を通せば,河川管理の基本は一通
り理解できるはずです.私も講義の
中でここに書かれている項目を落
としてないかなど,時々チェックして
います.

 

日本列島の成り立ちについて書か
れた本は多いですが,そもそも古
い本では説が違います.この本を
読めば日本列島の形や,今日の講
義でお話しした地質の分布が,現
状のようになった理由もわかります.

 

建設技術者のみならず,地形に
興味のある人,地図を見るのが
好きな人,まずは第一巻だけでも
良いので,是非一度読んでみて
下さい.目からうろこの連続です.
地形図の読み方だけでなく,地形
の基礎知識が身につきます.

 





【 推薦図書 】

大熊 那夫紀
~株式会社日立プラントテクノロジー 環境エンジニアリング事業部副事業部長兼事業企画本部副本部長~
 
 
 
         
[1]  ウォーター・ビジネス――世界の水資源・水道民営化・水処理技術・ボトルウォーターをめぐる壮絶なる戦い

  [2] 水ビジネスの現状と展望 水メジャーの戦略・日本としての課題
  [3] 水循環システムのしくみ (史上最強カラー図解)
         
出版   作品社
著者    モード・バーロウ
ISBN10  486182219X
ISBN13  978-4861822193
発行日  2008/11
  出版   丸善
著者   服部 聡之
ISBN10  4621082388
ISBN13  978-4621082386
発行日  2010/04
  出版   ナツメ社
著者    伊藤 雅喜
ISBN10  4816348867
ISBN13  978-4816348860
発行日  2010/05
         
推薦文
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この本は、世界中の水問題を水を供給する立場での問題点として言及している。水資源が不足し、内戦になっている地域も含め、深く掘り下げている。水メジャーの水ビジネス展開がわかる。  

この本は、日本の水事業の実態や海外における水ビジネスの成功例、失敗例が記載されている。また水メジャーの事業戦略にも言及し、新規水ビジネスが期待できる国々の実情を詳述している。

 

水技術初心者が、水技術の概要を把握するのに適している。カラー図解入りで、わかりやすくしている。

 

 




【 水道事業と国際協力】

平 久
~横浜市水道局事業推進部事業開発課長~
 
 
 
         
[1]  開発途上国の水道整備Q&A-水道分野の国際協力-
  [2]  ODA(政府開発援助)―日本に何ができるか
  [3]  水道のあらまし2008
         

出版   国際協力出版会
著者    国包 章一 他著 国際厚生事業団編 眞柄 泰基 監修
ISBN10  490635226X
ISBN13  978-4906352265
発行日  1999/12

  出版   中央公論新社
著者   渡辺 利夫,三浦 有史
ISBN10  4121017277
ISBN13  978-4121017277
発行日  2003/12
  出版   日本水道協会
著者   社団法人日本水道協会発行
ISBN10  4904017056
ISBN13  978-4904017050
発行日  2008/04
         
推薦文
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日本の水道技術は世界でトップクラスであり、開発途上国への水道事業に対して多くの専門家を派遣してきました。その中で得たさまざまな知見を網羅し、疑問や問題点を簡潔に答えています。

 

対外援助の主力として世界最大規模の支出額を誇った日本のODAは、1990年代に削減されました。日本がODAによって国際社会の中で果たすべき役割の考察は参考となるものと考えます。

 

水道の知識をコンパクトにまとめた解説書で、水道の概要が容易に理解できます。内容は、水道の歴史、水道の各施設、浄水技術、水道料金や財政、水道事業の新たな展開と今後の課題などです。

 

 




【 都市における水 】

窪田 亜矢
~大学院工学系研究科都市工学専攻 教授~
 
 
 
         
[1]  東京の空間人類学
  [2] 江戸の川、東京の川
  [3] 暮らしに活かす雨の建築術
         
出版   筑摩書房
著者    陣内秀信
ISBN10  4480080252
ISBN13  978-4480080257
発行日  1992/11
  出版   井上書院
著者   鈴木理生
ISBN10  4753023044
ISBN13  978-4753023042
発行日  1989/08
  出版   北斗出版
著者    日本建築学会(編集)
ISBN10  4894740370
ISBN13  978-4894740372
発行日  2005/07
         
推薦文
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表紙の写真からもわかるように、東京という都市が水とのかかわり合いのなかに生活の基盤を置き、形成されてきたことが、引き込まれる筆致で述べられている。水の社会的な意味を明らかにする方法の一つが、この仕事によって確立された。

 

事実を積み上げていくことの圧倒的な力強さと、その膨大な事実をナラティブに把握できる構想力によって、江戸の川、東京の川を理解できる。川に関心のある人だけではなく、都市に関心のある方には必読の書。

 

著者の方々は、雨の建築学、雨の建築術、雨の建築道、という三部作を編まれていて、ひとしずくの雨に対する熱い思いが、楽しく伝わってくる。雨の活かし方を「建築」から「都市」へと展開するのは、読者の私たちの仕事である。

 

 




【 川と人との関係を知り、 川との付き合い方を学ぶための本 】

大熊 孝
~NPO法人新潟水辺の会代表、新潟大 名誉教授~
 
 
 
         
[1] 河川工学
  [2] 社会的共通資本としての川
  [3] 技術にも自治がある-治水技術の伝統と近代-
         
出版   東京大学出版会
著者    高橋 裕
ISBN10  4130628178
ISBN13  978-4130628174
発行日  2008/09
  出版   東京大学出版会
著者   宇沢弘文・大熊孝
ISBN10  4130302515
ISBN13  978-4130302517
発行日  2010/11
  出版   農山漁村文化協会
著者    大熊 孝
ISBN10  4540031074
ISBN13  978-4540031076
発行日  2004/03
         
推薦文
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「河川工学」と題する教科書は多数あるが、表紙に墨田川の浮世絵(葛飾北斎画)を配したことに見られるように、もっとも総合的であり、川を工学的にどうのように扱うのかを知る上で最適な教科書といえる。

 

14人の最先端の執筆人により、脱ダム問題からコモンズによる川の共有まで、まさに現代的川の課題を正面に据え、川を持続的に維持・管理し、川を最適な形で次世代に残すために、川と人との新しい付き合い方を提言している。

 

「川を治める」とはどういうことか? 今の川は恵の収奪と水害の克服のためにコンクリートで固められ、自然な川とはいえない。地域住民の視点から、恵と害という矛盾に折り合いを付けながら、持続的に川と共生する方法を追求している。

 





【 作物栽培や食料生産分野と水 】

鴨下 顕彦
~アジア生物資源環境研究センター 地域資源評価研究室 准教授~
 
 
 
         
[1]  よみがえれ!科学者魂

  [2] 栽培学
  [3] 食料生産の生態学I, II, III
         
出版   丸善
著者    佐々木 聰, 雨宮 隆,鴨下 顕彦,露本 伊佐男,中田 聡
ISBN10  4621081225
ISBN13  978-4621081228
発行日  2009/05
  出版   朝倉書店
著者   森田 茂紀, 阿部 淳, 大門 弘幸
ISBN10  425441028X
ISBN13  978-4254410280
発行日  2006/03
  出版   農林統計協会
著者    R・S・ルーミス, D・J・コナー
ISBN10  4541019744
ISBN13  978-4541019745
発行日  1995/05
         
推薦文
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ビッグサイエンス、ハイテクノロジーと一線を画す科学、サステイナビリティを目指す科学として、化学工学、生態学、植物生産学の分野からの研究トピックの紹介集。「カンボジアの稲作と開発」、「作物の耐乾性の改良」に関する章を含む。

 

人口、食料、環境、エネルギー問題の解決を念頭に置いた、「新しい栽培学」の入門的教科書。水管理、水不足、節水栽培などの節もある。

 

農業における食料生産の原理を、作物、土壌、水資源、気象、技術などの幅広い関連において解説している教科書の邦訳。初学者には、III巻13章の天水農業における水利用や14章の灌漑農業の水管理などは読みやすいだろう。

 

 




【 初学者が農業水利の分野を知る上で有用な書籍】

飯田 俊彰
~農学生命科学研究科 准教授~
 
 
 
         
[1] 農地環境工学
  [2]  水利環境工学
  [3]  「水土の知」を語る(Vol.16)国土経営を考える(その3) ー新しい水利秩序と農業水利ー
         

出版   文永堂出版
著者    山路永司, 塩沢昌
ISBN10  4830041145
ISBN13  978-4830041143
発行日  2008/10

  出版   朝倉書店
著者   丸山利輔ら
ISBN10  4254440219
ISBN13  978-4254440218
発行日  1998/03
  出版   (財)日本水土総合研究所
著者   
ISBN10  
ISBN13  978-4-904159-04-0
発行日  2010/03
         
推薦文
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大学生(農業土木)のための入門書で,灌漑排水,圃場整備,農村空間整備,乾燥地の開発までを網羅している.

 

 
大学生(農業土木)のための入門書で,農業水利分野だけを取り上げ,農地の灌漑排水,水質,水利施設などの基礎を概説している.

 

 

環境用水のための水利権の取得,河川管理者が設定する正常流量と農業用水との関わりなど,現在の農業水利が直面している最新の問題について論考している.

 

 




【 初学者に有用である(と思う)書籍】

木村 匡臣
~農学生命科学研究科 研究員~
 
 
 
         
[1]  水利環境工学
  [2] 改訂5版 農業土木標準用語事典
  [3] 水土の知」を語る(Vol.17)農地・水・環境保全向上対策の成果と課題
         
出版   朝倉書店
著者    丸山利輔,中村良太ら
ISBN10  4254440219
ISBN13  978-4254440218
発行日  1998/03
  出版   農業土木学会
著者   農業土木学会 編
ISBN10  4-88980-107-3
ISBN13  
発行日  2003/01
  出版   (財)日本水土総合研究所
著者   
ISBN10  
ISBN13  978-4-904159-05-7
発行日  2011/03
         
推薦文
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農業水利学.世界の水資源や利用の状況から,農業における水利用のしくみ(水利権,灌漑,排水,農業水利施設),水質保全まで,広く浅く説明した入門書.

 

農業土木学.農業土木の各分野ごとに整理されており,それぞれを独立したプチ参考書として読むことが可能.多数存在する専門用語の習得,確認に最適!!

 

農村計画学 (?).農家の高齢化,非農家との混住化などの,農村が抱える課題の解決に向けて実施された,農水省の事業に対する考察.EUにおける農村振興政策の事例紹介.

 

 




【 推薦図書 】

前川 美湖
~総括プロジェクト機構「水の知」(サントリー)総括寄付講座 特任助教~
 
 
 
         
[1] Assessing Aid: What Works, What Doesn’t and Why.
  [2] African Politics in Comparative Perspective.
  [3] Escaping the Resource Curse.
         
出版   World Bank
著者    World Bank
ISBN10  0195211235
ISBN13  978-0195211238
発行日  1998/11
  出版   Cambridge University Press.
著者   Hyden, G.
ISBN10  0521856167
ISBN13  978-0521856164
発行日  2006
  出版   Columbia University Press.
著者    Humphreys, M., Sachs, J.D., Stiglitz, J.E.
ISBN10  0231141963
ISBN13  978-0231141963
発行日  2007/06
         
推薦文
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  推薦文

世界銀行が実施した「援助再考」プロジェクトの研究成果をまとめた良書。開発援助に関わる議論と課題を体系的にカバーしている。資金援助は良い政策環境において有効に作用すること、援助資金は流用可能(fungibile)なので、援助の効果を高めるためには、公共支出全体の効率性に対する配慮が重要であることなどを指摘。

 

邦題は『アフリカ政治の比較考察』。筆者(政治学者)の半世紀に及ぶアフリカ研究の集大成。アフリカの国家や社会の成り立ちを比較政治学を軸に学際的に分析。過去50年のアフリカ地域研究分野における到達点をトピックごとに要約した章も便利。アフリカに関わる人の必読書。

 

邦題は『資源の呪いの回避』。石油やガスなどの天然資源に恵まれた国々の多くが、経済の低成長、社会的不安定、汚職、そして最悪のケースでは紛争に陥ってしまうという、いわゆる「資源の呪い」を回避するための提言を豊富なデータや事例で紹介。

 

 

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